
助け合わなければ
生きてゆけない
そんな厳しい自然が映し出す世界は
涙が出るほど美しい
沢山の方に助けていただいてここに来ることが叶ったけれど
私はこの厳しい自然の中では
何も出来ないのです
その事を実感する日々
ここを生きる為には
学ばなければならない
この土地の生き方を
この土地の自然を
たった数日来ただけでは
決して語ることのできないものが
沢山沢山あるのです
この厳しい場所で本当の意味で誰かの役に立つというのは多分、
お金を払うとかそういう事ではないし、
学校のテストで良い点数を取ったり
良い成績を残す為の
誰かと競い合う為のお勉強では
余りにも足りない
この場所で生きるため
生かして頂くためには
生活全てがお勉強
気を緩める事はあっても
気を抜く事は出来ないのです
もちろん
得意不得意はありますから
全てを完璧にこなす必要などなくて
この土地を生きるリズムの中で
どんな音を奏でることができるのか
トントン
タンタンと
この土地の日常、普通という模様の中にどんな色を織り込む事ができるのか模索しながら
生きることを積み重ねる
日々淡々と、粛々と
同じような事を繰り返す先で
美しくも厳しい自然と
共に生きる事が叶う
イヌイットの族長とお会いした時
あぁ、これは敵わないと感じました
ちゃんと言うことを聞こうと背筋が伸びるのと同時に
寒さに驚いた身体が緩み
とても安心した自分がおりました
長老、エルダーと呼ばれる方の
存在は大きい
この方には敵わない
この方は必要な事を
命に関わる事を
はっきり、しっかり
教えてくださる
それはきっと昔々に
彼が同じように敵わないと感じた誰かから教わったように
敵わないと言う言葉の中に
憧れのような感情も持ちました
こういう人に
私はなれるだろうか
こういう存在に
私はなれるだろうか
父と母
祖父と祖母
脈々と繋がるその先で
教わって来た事は数知れず
私はお伝えできるほど
何かを積み重ねる事ができるだろうか
語るべき物語と
言葉にはならない
本当に大切な物語を紡げるよう
毎日を大切に生きよう
そう心に刻む極北の景色です。
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