そのスマホでオーロラ撮れるかな？
無理かも知れません
でも、オーロラは見て見たいです
同行させてください
今夜は晴れているから
オーロラの撮影をすると言うので
同行させて頂きました
私のiPhoneは旧型で
以前、それで撮影は難しいかもね
と言われていたのです
オーロラを見た時
人生が変わったの
先祖というものに
初めて実感が湧いた
そんな瞬間だった
心から、感動した
だから、私はここに住む事を選んだの
こちらに来てお世話になっている方が
そう話してくれました
オーロラとは一体なんなのでしょうか
夜空に浮かぶ淡い光が呼び起こす記憶
私たちの血と、体と、魂が
きっとその答えを教えてくれる
だからこそ
写真に撮れなくとも
私はオーロラを
見て見たかったのです
オーロラが出るのは深夜です
それまでは夜空の星を眺めて過ごします
あれが、北斗七星、わかるかい？
そしてあれがカシオペア座
その真ん中に
ぼんやり光っているのが
北極星
夜、方角が分からなくなったら
星を見れば良い
北が分かれば
他の方角もわかるからね
暗闇の中に小さな星の光があります
何も知らぬ人にとってそれはただの点でも
知っている人にとっては
方向を示す一筋の光
闇があるから光を知る
何が起こるかわからない
暗闇を1人で歩くような旅の始まりでしたが
こうして
暗闇の歩き方を教わっている
『大切なことは出発する事だった』
星野道夫さんの言葉です
たった1人だと思っていたその道は
恐ろしくてしょうがなかったこの場所は
もう既に誰かが歩いた道でもあって
迷いながらもトボトボ歩いていると
そっと智慧を授けてくれる
チャンスを見せてくれる
ずっとずっと昔から
そうやって伝えられて来た
民族も
血も関係の無い
旅人達の智慧
あの時
助けられた智慧を
あの時の私と似ている君に
お渡ししましょう
それをどう使うかは君次第
さあ、星を見てごらん
方角がわかるだろう
歩き始めなさい
真っ暗なその先に
君は一体何を見る？
君は一体誰と出会う？
北の方向から
ぼんやりとオーロラが浮かびました
スマホ、ダメかも知れないけど
やってみようか
そうですね
やってみます
そう話しながらカメラを向けたら
無事撮れたのがこの写真
次にゆく北極も想像のつかない世界です
決めたから行けるんだよ
その言葉を
心に刻みます
決めたからいけるんだ
だからこれからも決めてゆくんだ
いつまで続くのだろう、先を思うと今はため息が出ます
決して楽では無いから
それと同時にこんなものじゃ終われないと
星を見る自分もいる
そうだね
こんなものじゃ終われない
私はその私を信じよう
さあ、行こうか
そう、自分と話しをしています。
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